と一年間

明日は母校大学の卒業式。

16日は母校高校の卒業式だった。


学ぶだけの時期を終え、社会人となった一年も終わろうとしている。


この一年間は驚くほど楽々と易々と過ごした。

苦しいことも辛いことも全然なかった。

苦悶にとらわれ、身動きができなくなることもなく、当たり前のように仕事に行き、当たり前のように友達に大事にされ、当たり前のように家族の中にいた。

そして一年が終わった。

こんなに気持ちが楽だった一年はなかった。
だからといってこのような一年間が、来年も再来年も一生続くのならば、僕には生きる意味はない。

黙ってうつむいて誰かが作ってくれている平和と幸福を享受しているだけならば、僕には意味はない。


過去をかえりみて後悔することはない。
そういう風にしか生きられなかったのだから、そうやって生きてきたのだ。


明日は母校の卒業式。

澱んだ生活のままで生きていくのは張り合いがない。

寝る前の酒も楽しくはない。




粉雪が降ってきた。