日記

続き
五反田への移動中電車の中で本を開いても集中できず、ひたすら胸中。何度か人事の方から間に合いそうですか?と親切な電話がある。いい人。きっとお礼をしよう。とその時は思った。
五反田下車。地図を見ながら目的地へ向かう。
10分ほど歩くとブックオフを発見。帰りに寄ろう。
ビルに到着。面接会場は小さな部屋らしくドアの前に置いてある椅子に座る。4時までにはあと五分ある。ほっ。
どんな質問されるだろう、いきなしだったからなんも考えてきてない、やばい。そうだいまのこの待ち時間で考えよう。

10分後
なんの呼び出しもない。普通のビルの廊下に座っているだけなので多くの人にキョロキョロ見られる。そりゃあ着なれないスーツだろうけどそんなに見るなよな。

20分後
放置プレーか。赤ちゃん本舗最終面接会場って看板は出てるけど、受け付けがあるわけでもスタッフがいるわけでもなく、僕はただただ座っている。疑心暗鬼になる。本当に会場はここなのか(一応書いてはあるけど)、もう面接は終わっているのでは、そして本当は誰もいない部屋の前で僕は座ってるだけなのかも。
不安が募る募る。
30分後
おい、いくらなんでも待たせすぎだろ!不安を通り越してなげやりになってきた。もういいや。(「なにが?」とか意味のない言葉でつきつめてはいけない)

40分後
どのタイミングで見切りをつけて帰ればいいのだろう。約束は4時だったのに。せっかくあせあせ急いで来たのに。まちぼうけ。もはや何も考えられない。隣では催し物が終わり、片づけをしている。とんだピエロになってしまうことを想像し、虚しくなる。

45分後
ついにドアが開いた。空かずの扉。学校の七不思議。
中からもれでる明るさは薄暗い廊下からはそれはそれは別世界に見えた。やっと空いた、本当に会場はここだったという安堵感とともにその明るさは幸せのオーラに満ち満ちていた。マッチ売りの少女の気持ちに共感できるかもしれないと思った。
中からは4人の女の子が出てきた。よ、四人!?自分以外に待機してる人なんていないのに。まさかの集団面接独り占め。