読書

山田詠美
ハーレムワールド
主人公はさゆり。そしてさゆりを狂うほど愛しているティエン。さゆりはひどく美しく自分勝手な女。何人もの男の「友人」をもちティエンには全てを話している。(なのに)ティエンが他の女と一緒にいるところを見ると女を殴って殴って許さない。あたしのティエンを取ろうだなんて許さないんだからと。かっこをつけたのは逆接にはならないだろうとの表現。まさにハーレムワールド。
さゆりが他の男と寝ていてもさゆりが好きでたまらないティエンはいつでもさゆりを迎えてしまう。どうしても拒めない。会えればどうしようもなく嬉しい。また苦しい切ない。
ある日ティエンはさゆりに聞く。僕は君のなんなんだ。さゆりは答える「腹心よ」と。
理屈で小説は味わえない。正しいとか間違ってるかなんてものとは別にして。僕の感情的な価値観はさゆりとティエンの作る世界と同じだ。これは普遍的ではないのだろうか。