涙はバカな自分の為に

「当たり前の夢を見ることなんて容易いことじゃないね」

って歌うけれど、当たり前の夢って?

悔しいし、バカらしいけど、僕は未だにあの人に会いたいし、声が聞きたい。
バカだなんてことはわかっている。
もう終わったことなのよと。
もう昔話なのよと。
若かったからなのよと。
お前だけが一人でバカな夢を見ていたのだと耳元で囁かれる。


バカなことを夢を見るから、いけないんだ。惨めでならなかった。


誰かを好きになって、明日を夢を見ることが、愚かでも、下らないことでもないこと、わかっていた。

でも自分ではなく、誰かに言って欲しかった。


バカなことなんかじゃないじゃない、って。

それは素敵なことじゃないのさ。

意味のあったことじゃないのさって。

いい経験をしたんだね。

辛かったんだねって。

誰かに言って欲しかったんだ。