女生徒 太宰治

 女性が語り手となっている短編集。この時代の作家って何でこんなにも日本語が巧みなのかと驚かされる。太宰治=自殺とか人間失格とかネガティブなイメージが多いいとは思うが、ところがどっこいこの人は意外とそれだけではないのですね。読んでいて純粋に面白い文学であると思う。この時代の閉塞感やのんびりとしたある空気が伝わってきて呼吸が楽になった。

いのちの手紙 (ちくま文庫)