誰も悪くないのに

柳美里のルージュを読んだ。この人は悲しい思いをした人だからやはり文章が優しく鋭い。涙は出てこなかったが、心ではわんわんないていた。出会ってはいけなかった人なんて絶対にいない。男性と同居する人に恋をしてしまったことが悪いことなわけない。三人の誰も悪くないのに、三人ともが傷付いてあがいて出口を未来を探してる。社会が時代がおかしいと全力で叫びながら、その社会で哭きながら生きていく人を描く力は柳美里、抜群だ。