意外と名作、

主人公は17歳の高校生だから青春物語かと思いきや、山田詠美の視線が深く貫かれた作品だった。
人が人と接するときに大事なこと、失礼なこと、最低なこと。人間には誇りがある。それを忘れながら生きていたくはない。誇るべき何ものも身につけてはいなくとも、守らなければならぬ尊厳はあると思う。一体それは何なのか、そこを考える一助にはなるのではないだろうか。また現代の学校教育に窮屈さや怒りや矛盾を感じている人も読んでみてほしい。勉強ができなくても、素敵で大切なことがあるんだ。