私たちは旅がらす

ずうっと昔の「絶対にどこにいても探し出す」という男との約束を信じて、幼い娘を連れながら旅がらすを続ける親子の物語。そんな恋人たちの物語。思い出すだけでなんだか泣けてきてしまう。こんなにも信じて待てるなんて、ロマンチックにもほどがあると。でもそれでもそんな物語を信じていたい自分との葛藤の涙。江國香織が描く、恋人を思う姿、恋人を思うものは読む人をその渦に巻き込んでいく。憧れてしまう。