ひたむきな女

を描かせたら、有吉佐和子にかなう人はいないのではないか。とおもう。
女性は本来的に強い生き物なのかと思わさせられそうになるほどに、描かれる女性は強い。しかし女性は本来的に強いのではなく、強くなくては生きてゆけなかったのだと、強くそして悲しく切々と訴えているのではないか。日本の村社会が、目には見えない社会通念がそうさせてきたのではないかと、有吉佐和子は叫んでいるのではないか。しかし同時に強い女性にかなうものは何もない。神々しい。そんな作品を今回も読めて幸せだ。