2005-08-23から1日間の記事一覧

圧倒的力量

という言葉が一番初めに浮かんできた。うまい!とかおもしろい!とかでは言い表せられない。圧倒的力量。作者最後の書き下ろし小説にふさわしいレベルであると思う。人間の一筋縄ではいかない心の動きを彼女自身の言葉で表現し、しかもそれがひどく自然で。…

作者、原点のエッセイ

面白おかしく読める。それなのに自分がそこにいる。いつの間にか作者はエッセイに読み手を引き込み考えさせる。それなのに読後感は面白かったになってしまう。そんな内容。作者は本作の後多くのエッセイを発表していくが、作者の切り口や視点はこの作品が一…

絶望を根っこにたらしたゆったりした時間

「絶望と親しくしているお陰で、私の生活は平和そのものだ」この一文にこの小説の空気が凝縮されている。時間が遅い。空気がぬるい。澱んだ水は腐る。ということをゆっくりと甘く語りかけてくる。この小説は毒にも薬にもなる。気をひき締めて取り掛かる代物…

早く大人になりたい

と思っていた。子供時代が一番自由なのかもしれないが僕は子供当時(今も子供といえなくもない、言える)、ひどく不自由を感じていたから。あれが欲しいこれが欲しいという意味合いではなく精神的な、もしくは気持ちの問題だった気がする。ゆっくろ思い出し…

正義は必ず勝つ

と小さいころ思っていたなあと思い出した。きっと戦隊ものやその他さまざまなテレビ番組の影響だろうが。でもいつからだろう正義が勝つとは限らない!最初はグー、じゃんけんポン!のせりふのように思ってきたのは。別にそういう現実を憂えてるわけではない…